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東アジア共同体は必要か 

 今年の春学期のゼミで地域機構に関する発表をした時、東アジア共同体についても取り上げたので、その時の発表の内容と合わせて東アジア共同体についての自分なりの考えを書きたいと思います。ちなみに僕は人前で話すのは大の苦手なので、発表は散々なものでした。だから、ここでその雪辱を果たしたい・・・果たせたらいいなと思っています(´・ω・`)


 以前から東アジアにも共同体をつくろうという動きがありますが、まず、そもそもその定義があいまいだということは多くの専門家が指摘するところです。

 ASEANは、域内の政治安定の確保や経済成長などを目指す地域協力体として1967年に発足。現在、2015年までの共同体構築に向けた協議を進めている。現在の「フォーラム」形式の緩やかな結束を、確固とした「共同体」に格上げすることで国際社会での地位向上や経済成長に結びつける。
 97年に採択した「ASEANビジョン2020」では共同体実現を20年までに目指すとしていたが、今年1月にフィリピン・セブ島で開催した首脳会議で共同体創設を5年前倒しすることで合意。中印両国の存在感が急速に高まる中でアクセルを踏んだ格好だ。
 共同体の目標には(1)政治・安全保障(2)経済(3)社会・文化-の3分野の融合が掲げられた。しかし、専門家は「目標のうち『政治・安全保障』はコミュニティーのようなもので一つの国家のような共同体にはならないだろう」と分析する。事実、民主化問題をめぐり、29日には早くも対立が表面化するなど政治的な融合の難しさを浮き彫りにした。

引用元 http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/asia/72817/


この記事には東アジアの共同体の目標(目的)についてこのように書かれていますが、経済面を目的とするならAPEC(アジア太平洋経済協力)、政治・安全保障面ならARF(東南アジア諸国連合地域フォーラム)ではいけないのでしょうか?

 まず、(2)の経済面についてですが、経済は金融・通貨面と貿易面の二つに分けて考えることができます。金融・通貨面に関しては、通貨・金融危機は即時性が高く、規模も大きいため、迅速な意思決定ができる地域統合が必要となります。これはAPECでは範囲が広過ぎます。一方、貿易面は短期かつ巨大なダメージは受けず、地理的近接性による制約も小さいので、地域機構の必要性は小さいです。よって、貿易面はともかく、金融・通貨面に関しては地域機構、すなわち東アジア共同体の必要性はあると言えます。

 次に、(1)の政治・安全保障面についてですが、中国やロシアのような大国の動向には勢力均衡枠組みが重要です。すなわちHub And Spokes System(米国主導の二国間同盟)の影響力が大です。しかし軍拡、領土、分離主義運動、宗教対立、環境などの問題などは勢力均衡枠組みでの解決が困難であるため、地域的安全保障枠組みも必要です。
 ちなみに、ARFは内政不干渉の原則の固執により予防外交は困難となっています。この点に関してはコンセンサス・マイナス・ワン(紛争当事国の反対を考慮しない)方式を採用するべきです。しかしながら、それが実現してもARFだけでの地域的安全保障枠組みでは不十分です。なぜならARFは強制的な手段を持たない(協調的安全保障)ので、紛争が起こった場合軍事的に対処する装置(同盟集団的安全保障)が別途必要となります。さらに、集団的安全保障システムはその性質上、協調的安全保障の機能を併せ持つということからも、東アジア共同体が集団的安全保障システムとしての機構ならば必要であると言えます。
 
 (3)の社会・文化に関しては何を指しているのかよく分からないで何とも言えませんが、その中に自由民主主義、人権尊重、法治主義などの基本的価値観も含むのならば日本としては歓迎するところで、特定アジアをこの枠組みに引き込むことは極めて有益です。

 そして、最後にひとつ指摘しておきたいことがあります。それは数年前から中国が東アジア共同体に強い関心を持っているということです。つまり、たとえ日本にとって直接メリットが大きいものではなくても、東アジアが中国の勢力圏に取り込まれるデメリットを回避するためには、日本は積極的に東アジア共同体に関与していかざるをえないのです。このことは日本政府にも肝に銘じておいてもらいたいです。

 経済協定では中国が先行し、2001年にASEANとFTA(自由貿易協定)創設で合意し諸外国を驚かせた経緯がある。中国と韓国はすでにASEANとFTAを締結。経団連幹部は「日本は出遅れ感がある」と不満を漏らす。
 政府関係者は「中国が先行し関税撤廃率90%という対ASEANのFTAで相場観(基本水準)を作った」と指摘する。
 中国は、日本などに先立って交渉することで自国の経済情勢に合わせた関税撤廃の割合を設定、ASEANは中国との実績を基に、その後の交渉国に市場開放を迫る戦略を展開している。

引用元 http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/72841/


この記事のことも中国が東アジアに関心を示している一例ですが、このことは経済だけでなく、安全保障に関しても同様です。
 90年代後半に中国は対外戦略を大きく変えたのですが・・・・・・すみません、長くなった(本当は勉強不足な)ので、この話はまたの機会にしたいと思います。


<参考文献>
1、中逵啓示編『東アジア共同体という幻想』ナカニシヤ出版、2006年
2、西原正「アジア太平洋における安全保障の枠組みと日本」『国際問題』第480号、2000年3月、38-52頁
3、防衛大学校安全保障学研究会編『安全保障学入門』亜紀書房、2003年
4、森本敏編『アジア太平洋の多国間安全保障』日本国際問題研究所、2003年
5、http://www.ceac.jp/j/column/041210.html(古森義久「「東アジア共同体」への疑問」)
[ 2007/08/04 11:10 ] 同盟・機構 | TB(0) | CM(0)

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