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ミサイル防衛はやっぱり役立たず? 

2009年5月20日、イラン国内の非公表の場所で発射される
新型の中距離弾道ミサイル「セジル2(Sejil-2)」(写真:Getty Images

 「迎撃ミサイルはデコイ等の対抗措置で簡単に無効化される」っていうずっと言われてることがワシントンポストに載ってた。

A planned U.S. missile shield to protect Europe from a possible Iranian attack would be ineffective against the kinds of missiles Iran is likely to deploy, according to a joint analysis by top U.S. and Russian scientists.

(中略)
Moreover, if Iran were to build a nuclear-capable missile that could strike Europe, the defense shield proposed by the United States "could not engage that missile," the report says. The missile interceptors could also be easily fooled by decoys and other simple countermeasures, the report concludes.

引用元:U.S.-Russian Team Deems Missile Shield in Europe Ineffective(Washington Post 2009/05/19)


 これには以下の様な反論もある。しかしながら、技術的なことは分からないのでさておき、イランや北朝鮮を見る限り少なくとも開発をやめさせる強制力にはなっていない。

一般に、費用対効果の面で弾道ミサイルがミサイル防衛を大きく上回っているために、ミサイル防衛の配備は、単に弾道ミサイルの増強を招くだけに終わりかねないと言われている。しかしながら、こうした可能性は、経済規模や技術に大差のない国家間の弾道ミサイル/ミサイル防衛競争に当てはまるものであり、米国と「ならず者国家」のように、経済・技術力に大きな差異がある国家の間では必ずしも当てはまらない。したがって、「ならず者国家」がグロ-バルに展開された米国のミサイル防衛やそうした防衛網によって高まった米国の地域紛争介入能力をみて、弾道ミサイルや核兵器の開発を断念することは十分に想定されるのである。

引用元:小川伸一「ミサイル防衛の戦略的意義と国際安全保障に与える影響」『防衛研究所紀要』第6巻第1号、2003年、14ページ。

[ 2009/05/27 00:15 ] 抑止・ミサイル防衛 | TB(0) | CM(2)

はじめまして

ミサイル防衛には、小川氏の指摘の通り特に北朝鮮等にとってはやっかいな特徴があります。それは、従来の核抑止戦略では達成し得なかった「相手兵器の信頼性を下げる」効果です。
それ故、大国間での核抑止バランスを崩すとして、ABM制限条約などで規制がかかっているのです。

北朝鮮のような国家にあっては、プルトニウム抽出量の関係上、核弾頭そのものが貴重な「最終兵器」なわけです。
ミサイル防衛システムには、この「最終兵器」の信頼性を低下させ、敵のコストを高め、戦略を狭める効果が期待できます。
たとえば北朝鮮が日本のある地点を攻撃したいとします。この際、X発のミサイルに実弾を積んで撃ち込むこととします。
従来、弾道ミサイルという迎撃不可能な装備にあっては、このX発の見積もりを攻撃側の都合だけで決められるというメリットがありました。自分の持っているミサイルの信頼性、命中精度、弾頭の信頼性などがわかっていれば、その攻撃の成功率が算定できます。
しかし、たとえば日本の迎撃ミサイルがシステム全体で50%の迎撃成功率を持つとした場合、同じ作戦成功率を期待するならば、北朝鮮は一カ所の攻撃に2X発の核弾頭とミサイルを消費する必要が生じてしまいます。

現在、北朝鮮は9個~20個の核弾頭を保有すると考えられています。北朝鮮の軍部が一カ所に2発必要と見積もっていたとして、20個で10目標攻撃するプランだったものが、たとえ50%の迎撃率であっても、その迎撃率を敵が知ったことにより、攻撃目標は5目標に限定される・・・そんな効果が期待できます。

そしてこの効果は、技術力を高めれば高めるほど、影響が大きくなります。システムで50%の迎撃率という例の数字でも、2段階の現MDでは、フェーズごとの命中率30%で確保可能です。これがフェーズ50%になればシステム全体で75%、さらにTHAADを導入して3段階にすれば87.5%、といったように、敵の攻撃が成功しない確率をどんどんと高めることができます。
87.5%まで来ますと、これは弾道弾側の生存率12.5%ですから、20発あっても2.5発。全弾1目標に消費するしか無くなりますので、敵方のプランは完全に破壊されます。なにせ1目標破壊して、全弾使い切って、もうできることは何もなくなってしまうわけですから。。。

こうした迎撃技術に対抗するためには、「試しようがない」デコイ技術を追及するか、多弾頭化やミサイルの増強によって数で押すか、という選択になってきますが、北朝鮮のような状況ですとまず核物質の確保という難題がありますので、数で押すことはできない。
結果、MADによる抑止状態と同様に、敵の核は「撃つ意味の無い兵器」と相成っていく、というわけです。
[ 2009/07/09 09:30 ] [ 編集 ]

Re: はじめまして

はじめまして
レスが遅れてすみません

分かりやすい解説ありがとうございます。
僕もゆにぞんさんのおっしゃるミサイル防衛の論理は理解しているのですが、ではなぜ北朝鮮などはその「撃つ意味のない(なくなりつつある)兵器」の開発を放棄しないのかという疑問があるのです。
[ 2009/07/18 09:57 ] [ 編集 ]

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