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スパイと衛星に共通するメリット・デメリット 

 抑止を研究するなら修論で使うかはともかくゲーム理論についてある程度知っておいた方がいいだろうということで、下の本を読んでみた。正直算数・数学が大の苦手な自分には難しくてあまりちゃんと理解はできなかったorz でもいくつかなるほどなぁと思ったことがあってその一つについて。

レスリー・グローブス元帥は、あるスピーチでつぎのように述べている。「われわれが最初に攻撃することはないということをソ連が知っているなら、クレムリンがわれわれを攻撃する可能性はぐんと減るにはずである。われわれが先制攻撃をためらうのは、軍事的にわれわれを不利にするかもしれない。しかし、逆説的ながら、それは今日、世界戦争を防止するひとつの要因なのである」。

引用元:トーマス・シェリング著、河野勝訳『紛争の戦略―ゲーム理論のエッセンス』勁草書房、2008年、240ページ。

レオ・シラードは、外国のスパイは訴追するのではなく免責をもって歓迎する方がいいというひとつの逆説に言及している。というのも、スパイはわれわれが奇襲攻撃を開始するための準備を何もしていない、という重要な真実に関する説得的な証拠を相手国に伝えるためのほぼ唯一の手段だからである。

引用元:同上書、152~153ページ。

 相手の意図が分からないことによる疑心暗鬼を緩和し、軍拡競争や紛争を抑えることに役立つので、スパイは悪いことばかりでもないということか。理想はスパイをコントロールして相手国に伝えたい情報だけを流すことだろうね。でもそんなのは無理なんだろうなぁ。抑止の場合にも言えることだけど、そもそも情報を相手に渡す・渡さないの判断はとても難しい問題だ。

情報を秘匿するか明示するかの選択に固有の悩ましいジレンマが存在する。ある脅しにコミットしていることや、実際にその脅しを実行できることを証明するためには、そのコミットメントや脅しを実行する能力を相手側に誇示しなければならない。しかし、そうした情報を提示してしまうと、脅しに対抗するのに有用な情報を相手側に与えてしまうおそれが出でしまう

引用元:同上書、182ページ。


 ところで、この話は衛星による相互監視にも言えることだなと思った。

 確実な検証条項の挿入を軍備管理条約締結の必須要因と考える米国にとって、衛星による相互監視-NTM-の技術能力の成熟とその条約導入への合意は、米ソ(ロ)二国間軍備管理・軍縮条約成立の最大の成功要因の一つであったといえるであろう。実際、1972年に初めて取り入れられたNTMの利用、妨害禁止の条項は、ほぼ同じ文言で、ほとんどすべての米ソ軍備管理条約や信頼醸成措置条約(核実験制限条約や事故の早期通報条約等)に取り入れられている。もちろん、条約の検証を離れても、二国間の軍事活動の透明化に役立ち、疑心暗鬼からの軍備競争の過熱を抑える主要な要素となった
 米ソ間で一定以上の成功を収めた衛星監視が国際的にも有用なものであるという主張は、たとえば、1978年の第1回国連軍縮特別総会でなされた。フランスのジスカールデスタン大統領は、米ソ間の衛星監視が両国の安全保障の向上に役立ったように、多国間で共有する衛星によって広く多国間軍備管理条約や国際危機状況の情報収集をすることが世界全体の安定化に資するとして、国際衛星監視機関(ISMA)の設置を提案した。ISMA提案自体は、米ソの反対もあり、実際の設置には至らなかったが、1982年に欧州審議会はISMA案に賛意を表明し、第2回国連宇宙会議(UNISPACE82)にその旨の報告書を提出した。翌年には勧告957に基づいてISMAの地域版を設置することを提案した。西欧同盟(WEU)も、1984年にISMAを欧州の信頼醸成措置として利用すべく努力する旨の提案をした後、再度1989年にも欧州独自の衛星監視機関としてISMAの地域版を設置するよう促した。WEUは、1993年以来、その解消期まで、スペインのトレホン(Torrejon)にフランスがCDで提案した、ISMAの第一段階としての衛星画像処理機関(SIPA)類似の衛星センターを設置していた。同センターは、独自の衛星システムは保有せず、画像解析処理の機能のみをもち、仏・伊・西共同開発のエリオス画像偵察衛星や仏のスポット・イマージュ社のSPOT衛星の画像などを利用して欧州やアフリカでの内戦事実調査などに用いていたが、欧州の信頼醸成措置に大いに有益であったと評価され、CD等で繰り返される信頼醸成措置のための地域衛星機関(後述)の初期モデルと位置づけられている。~~中略~~信頼醸成措置に役立ち世界の安全保障向上に資すると評価した画像偵察衛星にしても、それは同時に敵国の実力を認識し、攻撃を仕掛けるための情報として用いることもできる

引用元:青木節子「宇宙空間における軍備管理問題」財団法人日本国際問題研究所軍縮・不拡散促進センター、2008年、31~32ページ。

[ 2009/05/08 10:53 ] 抑止・ミサイル防衛 | TB(0) | CM(2)

興味深いですね

スパイと言うと、イランがロクサナ・サベリさんを釈放出国の許可を与えたのも隠すことがないからだとも言えそうですね。ほんとにそうだといいんですけどw
[ 2009/05/13 01:36 ] [ 編集 ]

深読みすればキリがないんですけど、どうなんでしょうね^^;
[ 2009/05/14 20:53 ] [ 編集 ]

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