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クラスター爆弾禁止から思ったこと 


投下されるクラスター爆弾


 アクセス解析を見てみると、前回の更新から「リアリズム」や「国際関係(論)」といったキーワードでのアクセスがかなり増えている。日本では理論は人気がないけど、興味を持っている人も少しはいるんだね。ってか国際関係に関する用語をいくつかググってみると結構このブログが上位に来る。これは別にこのブログが凄いんじゃなくて、単にそういう専門用語を使っているサイトが少ないだけ(ニュース系ブログならいっぱいあるのに)。もっとそういうサイトが増えてくれてもいいと思うんだけど。
 今日はゼミで「戦略文化」について報告したけど、案の定キツかった。やっぱり「文化」って難しいわorz 去年日本国際政治学会でも戦略文化について報告があって、そこでも報告者は結構叩かれたらしい^^;それに関して簡単な報告書がネットにうpされていたので興味がある人は見てください(部会8を参照)。それとゼミでは言い忘れたけど、実は「戦略文化」って言葉は一応公式の文書でも使われているんだよね。欧州理事会が2003年に出した(採択した)「欧州安全保障戦略」っていう文書で使われている。日本語訳はこれ

いっそうの積極化が、われわれの戦略目標を追求する上で必要である。これは、政治的、外交的、軍事的・非軍事的、通商・開発活動を含む、フル・スペクトラムの危機管理および紛争予防のための道具立てを意味する。積極的な政策は、新しい、ダイナミックな脅威に対応するために必要なものである。早期に、迅速に、そして必要ならば断固とした介入を可能にする戦略文化を発展させる必要がある

 あとこれもゼミで言わなかったけど、戦略文化って国家を合理的なアクターと仮定することへの反論だと理解していたんだけど、ジョンストンの論文をちょこっと読んでみたら、次のようなことが書かれていた。ちなみに“compatible”は「矛盾しない」っていう意味。

Strategic culture is compatible with notions of limited rationality (where strategic culture simplifies reality), with process rationality (where strategic culture defines ranked preferences or narrows options) and with adaptive rationality (where historical choices, analogies, metaphors, and precedents are invoked to guide choice).

引用元:Alastair Iain Johnston, "Thinking about Strategic Culture," International Security, Vol. 19, No. 4 (Spring, 1995), pp. 34

 “limited rationality”ってサイモンの「限定合理性」のこと?こういうのが出てくると、「そもそも合理的って何?」ってことから考えないといけないよな・・・いやになってくるぜw


 さて最近のニュースについてだけど、中国への自衛隊機派遣の話が出た時は歴史的な出来事になるな~と思ったのに、結局見送りかYO!ってのは置いておいて、先日日本がクラスター爆弾禁止に賛同するという、安全保障に関する結構重要な方針転換をしたね。 ヘラトリのOpinion欄にクラスター爆弾禁止条約についての記事があった。その記事はアメリカもその条約に賛同しろっていう意見で、その理由を超約すると「クラスター爆弾は従来の(国家対国家の)戦争用の兵器→でも今は新しい戦争(対テロ戦争)が中心で、従来の戦争はあまり起こりそうにない→起こりそうにない戦争のための兵器であるクラスター爆弾なんて、市民が死傷するだけだからいらね」って感じかな?

United States officials insist the Pentagon must have such munitions. That is what the Clinton administration said when it opposed the land-mine treaty in 1997. It is a weak argument: Cluster bombs are weapons for conventional battlefields. America is less likely to fight big conventional wars than counterinsurgency conflicts in population centers, no place for munitions that kill indiscriminately.


Modern nations need a range of weapons to protect their legitimate interests. Cluster munitions that disproportionately harm civilians are not among them. President George W. Bush must resist the temptation to further sabotage this worthy treaty and let it take effect.

It is not clear where the candidates stand on the treaty, but the next president, whoever it is, should repudiate Bush's opposition and sign it.
Cluster bombs, made in America(International Herald Tribune 2008/06/01)

 これを読んで思ったのは、結局のところ従来型の戦争が起こり得ると考えるかどうかに尽きるんじゃないかなってこと。もうこの先大国同士の戦争なんて起きないと考えるならクラスター爆弾はもちろん大規模な軍事力もいらないってことになるだろう。逆に、十分起こり得ると考えるならそう簡単にクラスター爆弾は放棄したくないだろう。ただ実際は、どこの国も対テロに対応するために軍のコンパクト化を図りつつも、大規模な軍事力を保持したままなんだよね。これは確率は0%じゃないから仕方なく(将来の保険として)そうしてるのか、それともそれなりに起こり得ることだと考えているからなのか、どっちなんだろう?日本(政府)は後者?

 「(禁止を決めた)英国の周囲は欧州各国。日本には中露がいて安保環境が全く違う。対抗するには(中露と)同じ爆弾が必要だ」。別の防衛省幹部は、欧州に日本が引きずられたことを批判する。

引用元:STOPクラスター:第11部 条約案採択の陰で/下 防衛省(毎日新聞 2008/06/03)

 何が言いたいのか自分でもよく分からなくて頓珍漢なこと書いてるような気がするけど、要は昔に比べればどんどん軍事力の行使はしづらくなってきているのは確かだと思うんだけど、「国家を守ってくる存在がない」ことと、「他国の考えていることを完全に知ることができない(だから信用できない)」ことによって国家は軍事力を保持するしかないのかどうかって話。

武力は行使できるし効果的な外交の手段である、という伝統的なリアリストの前提についても、とりわけ大国に関しては、かなりの付帯条件が必要である。超大国間の紛争を解決する手段として、軍事力や武力による威嚇の効用が低下していることはますます明白であり・・・

引用元:ゴードン・A. クレイグ、アレキサンダー・L. ジョージ『軍事力と現代外交―歴史と理論で学ぶ平和の条件』322ページ

[ 2008/06/04 01:12 ] 日本の安全保障 | TB(1) | CM(9)

クラスター爆弾禁止条約についてはノルウェーの交渉裏についてNHKでやっていましたが、マスコミはスゴい大事のように報道していて、私などはアメリカ・ロシア・中国が参加してないんじゃ意味ないじゃん、と思ったのですが…
自衛隊も我が国の防衛構想が上陸される前に叩く、ならクラスター爆弾は然程必要でもない気もしますし
チェチェンやアフガニスタンのようにテロ組織と民兵の複合した組織には、作戦として使用も止むなしという戦術的選択としてあるのかな、とも考えますが
大国間の戦争は…無い、と考えるのは危険な気がしますけど
食糧自給の問題で今の国際社会は相互依存の割合が高いので自給率が低くとも大丈夫だ、という意見の学者がいましたが果たしてそうなのか、と
資源や食料といった生存と生活に不可欠な物資の逼迫はいつの世でも紛争の引き金になるのではと
必要な物は他から奪ってきた西欧・白人の歴史を見るにつけ、安心する気にはなりませんが
あと、パックス・ブリタニカのゲームのルールブックの時代解説に、20世紀冒頭のイギリスの新聞の社説に、“これからの時代に我々人類はより文明的になり、戦争による問題解決は少なくなるだろう”というのがあったそうです
しかし、その十数年後、三十数年後…
人間の理性に期待した国際交渉は耳に心地良いですが…
私はそれ程楽観的には見ていられませんね

民衆の理性といえば…私はヨブ・トリューニヒト氏が好きですな
麻雀マンガのバクチ打ちでも政治家でも打たれ強い、というのは最大の利点かと思いますよ
現実にどれだけの有望な政治家がスキャンダルで消えていったか…
あれで政治家としてやっていけるのは将にゴキブリ並みの生命…
まあ、マンガ版の道原かつみ先生も気に入ってるそうですよ(笑)
更に今週のファミ通を見たら発売日未定ですがパソ版の新銀英のソフト開発中らしいですよ
[ 2008/06/08 07:49 ] [ 編集 ]

>アメリカ・ロシア・中国が参加してないんじゃ意味ないじゃん

未締結国にとっても死活的な状況ならともかく、そうでない場合にはかなり使いにくくなるというある程度の効果はあると思います。

>資源や食料といった生存と生活に不可欠な物資の逼迫はいつの世でも紛争の引き金になるのではと

そう思う反面、先進国間では科学技術の発達でどうになるんじゃないのかとも思いますね。

>パソ版の新銀英のソフト開発中

お、それは気になりますねw
[ 2008/06/09 16:41 ] [ 編集 ]

クラスター規制には反対。
「対人地雷全廃時の小渕外相の英断」を引き合いに出すけれどあの時にはクラスターがあった。

僕の提案
最初から爆発しない物を詰め込んでおけば良い。
小型爆弾ではなくて突起付きの小鉄球とか折れ釘とか・・・。

撒き散らせば充分な殺傷能力は有る筈。



話は変わるけれどノルウェーの外交戦略には脱帽です。
クロ現で見ました。
[ 2008/06/11 21:42 ] [ 編集 ]

>小型爆弾ではなくて突起付きの小鉄球とか折れ釘
たしか手榴弾もそんな感じでしたっけ?
専門的なことは分かりませんが、それもいいかもしれませんねw

>ノルウェーの外交戦略には脱帽
クロ現は見ていないのですが、どんなのですか?
気になります。
[ 2008/06/12 11:06 ] [ 編集 ]

とんでもない話ですね。しっかり代替兵器配備の予算つけてくれるんだろうな、福田!

に、しても福田は実はしたたかなリアリズム外交をしている可能性があると思っていたんだが買いかぶりだったんですかねぇ。

いや、今回の規制の流れから言えば彼に責任はないか。
[ 2008/06/12 20:55 ] [ 編集 ]

クラスター爆弾の使用については…
ロシア:人権とか報道の自由とか西欧や日本と異なる基準で律せられている以上使用に然程躊躇う理由が見当たりません
中国:同上 但し、ダルフールやチベットなど政府の面子のかかった政策実行中なら考慮の対象にはなる
逆を言えば、そのような問題がなければ国際世論も然程影響はないかと
国内世論は西欧の偏向報道、と反発を励起してますし
アメリカ:クラスター爆弾を使用することにより“アメリカ将兵”の損害が少ない、と考えるなら使用すると思います
なんとなれば、作戦決定を担う将官、戦略を決める政治家や国防省官僚はアメリカ軍の犠牲が大きくなることが最も軍事作戦を継続し難くなる国内状況と考えると推察するからです

“小型爆弾ではなくて突起付きの小鉄球とか折れ釘”
これって、爆発物に仕込むなら条約で禁止されてませんでした?
まあ、我が国でもペットボトルとドライアイスとこんなんでテロ出来てしまいますが…(・ω・)

ノルウェーのは、交渉の要点は反対していたイギリス・フランス・ドイツの妥協点を見出すことでした
フランスが、実は最新の自爆可能で不発弾を出し難い新型クラスター、一つの爆弾に10個未満の子爆弾といった全面禁止ではない妥協点があるなら調印する点がある、という本音をNGOや外交官といった人脈から探り出したのが秀逸でしたね
この辺は確かにノルウェーの外交に脱帽です
[ 2008/06/12 21:04 ] [ 編集 ]

>hideomiさん
日本は何で賛成しちゃったんでしょうね?
アメリカも反対しているんだから反対しようと思えばできたと思うのですが・・・

>蒼き鷹サルレムさん
国際世論の影響を強く感じるのは日本にいるからでしょうかね^^;
ロシアや中国では全然影響力ないのかな?

あとアメリカはイラク戦争でクラスター爆弾を使ったらしいですが、
本来は防御用兵器なので条約に批准しなくても使う機会はほとんどないかもしれませんね。


ほ~ノルウェーやりますね~
[ 2008/06/14 14:28 ] [ 編集 ]

クラスターなど無用

日本が持ってるクラスターは旧式で、使っても新型の装甲車両には
ほとんど効果が無いと言われるし、小銃弾対応の防弾服が行き渡り得る
正規軍兵士に対する効果も思ったほど無いだろうと思われます。

ロシア、中国はクラスター弾を製造している国なので防御方法も
心得ているものと思われ、この爆弾の有無が戦況に与える事は
ほとんど無いと言い切って良いでしょう。

むしろ使うことで自衛隊員自体が被害をこうむる可能性が
あり、一般市民においては言うに及ばず。
自国民に被害を与え得る有害な兵器を利用することなど
行政としてはあり得ない話です。
湾岸戦争、コソボ、イラク、アフガンと、
主役となり戦況に決定的役割を演じたのは誘導兵器。
クラスターではない。クラスターは使用した国に汚点を
残したのみです。
本当に軍事知識があって賢明な合理的思考が出来れば
クラスター弾などに執着などしないはずだと思います。

日本がこんな役立たずな有害無益な兵器に見切りを付け
国際協調主義に基づきクラスタ禁止条約に賛意を示したのは
正解です。これで日本が東アジアで軍事緊張を生み出さない
穏健平和国家であることを自ら証明したものと思います。

日本の防衛に役に立つのは一にも二にも誘導弾です。
クラスターなど廃棄したところで、現在日本は陸海空の三自衛隊で上陸部隊を運ぶ艦隊を殲滅する誘導兵器を装備している為、防衛力には何ら影響を
及ぼさない。今後日本がするべきことは、より優秀で安価な誘導兵器を開発、装備することです。
[ 2008/08/02 21:57 ] [ 編集 ]

お返事が遅くなって申し訳ないです。

>国際協調主義に基づきクラスタ禁止条約に賛意を示したのは正解です。これで日本が東アジアで軍事緊張を生み出さない穏健平和国家であることを自ら証明したものと思います。

確かにそうですね。兵器についてはあまりよく知らないのでクラスター爆弾の有効性ついてはちょっと分かりませんが、クラスター爆弾がどこの国民にも受けが悪いのは事実であり、国際世論を味方につけるという意味では良かったんじゃないのかと思います。
[ 2008/08/11 18:31 ] [ 編集 ]

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[2008/06/16 19:27] URL 帝国ブログ





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